2020年5月28日、遂に卒業の日がやってきてしまいました。
HBSの2年間は”Transformational experience”となる・・・入学当初にこの言葉を投げかけられ、自身を大きく変革することができるチャンスに期待を膨らませると同時に、そう簡単に人生が変わるような経験なんかあるものかと懐疑的な気持ちを持っていました。
終わってみて。
自信を持って言えます、この2年は確かにtransformationlだった、と。
これまで持っていた価値観が大きく揺さぶられました。
人とはなんだろう、友情とはなんだろう、家族とはなんだろうという問いを迫られました。
ビジネスとは人の営みを形作る一部でしかないですが、科学と人間味が詰まった複雑かつ魅力的な挑戦であることを学びました。
最後は日本にいながら、オンラインで卒業という異例の形となりましたが、これは形式上の話で本質的な学びに大きな影響はなかったと感じます。(それでも1年後にあると言われている 1 year reunion/graduation party は楽しみで仕方がない)
カテゴライズするのは難しいですが、2年間を通してのインパクトを書き出します。
網羅的かつ瞬発的なビジネス感覚
ケースの1000本ノック(正確には500本くらい?)を受け、クラスメートとの議論を経て、「聞いたことがない経営の考え方」がほぼなくなりました。
そして、与えられた状況に対して反射的に分析を行い、仮説を立てる感覚が身につきました。
当たり前のことのようにも感じますが、実はこれだけで世界の見え方が大分変わります。
目の前にどんな業界(金融、テック、製造業、不動産、サービス etc.)出身の人が現れたとしても、臆することなく相手の懐に入って行こうと思える、そんな感覚は以前には全くありませんでした。
リーダーシップに対する実践的準備
組織を指揮すると予想もしない課題が日々浮かび上がります。入学前は、日々起こる問題に対して、息切れしながらモグラ叩き的に応対していた記憶があります。
以前の記事にも書きましたが、組織の中では人同士の不確定なダイナミクスの裏で、一定の因果関係が働いていることを学びました。
モグラが出た時に、それをすぐに叩きにいくよりも、まずは背後にある巣の構造を理解しよう。一度立ち止まり問いを繰り返す癖がつきました。
世界を俯瞰し、身近に感じる、大局と局所を行き来する思考
地球上の様々な地域で起こっているニュースが圧倒的に身近に感じるようになりました。アフリカ、南米、中東が直面している問題に触れ、そこに住む友人のことを思うと、日々自分の生活で直面している困難が小さなことに感じます。
当然、目の前の課題を深く掘り下げることは重要な一方、「これは世界的な目線ではどこに位置付けられるのだろう」という思考のワンクッションを挟めることで、矮小に縮こまりがちな思考を広げることができます。
苦難をシェアできる友人
2年間は楽しいことばかりでなく、個人的に多くの苦難も経験しました。そんな時、無償で手を差し伸べてくれた友人が今は地球の裏側にまでいます。日本で共に生まれ育った友人とは違った視点から、思いもつかないアドバイスを投げてくれたりします。逆に、そんな友人からアドバイスを求められたりもします。
この繋がりはそう簡単に得られるものではないからこそ、これからも時間を惜しまず大切にしたいところ。日々の仕事で疲れていると深夜に話したりするのが億劫に感じることもあるのですが・・・未来の自分のケツを叩きたいですね。
卒業はしましたが、HBSでの経験でアップできていないことやその後の生活で思うことを発信し続ける予定ですので、引き続きこちらのブログはよろしくお願いします!