時は少し遡り、学期中に行ったもう1つの旅行について書き残しておきます。
11月10日〜13日のVeteran’s Day(国民の休日)を絡めた3連休中にカナダのモントリオールへ行ってきました。
カナダは高校時代にバンクーバーへ1年間留学して以来。HBSの同級生15人ほどで(連休には何かしらの旅行企画が立ち上がります)レンタカーで国境を越えました。
モントリオールは車で訪れることができ、かつ街が綺麗&エンターテイメントもあるためHBS生の学期中の旅行先として非常に人気があります。
しかし、行きはこの時期にまさかの吹雪。慣れない右車線で運転しさらに疲弊し、何人かでバトンを繋いでようやく辿り着くことができました。途中の渋滞のせいで運転時間、計8時間ほど(帰りは5,6時間ほどでした)・・・
モントリオールの街並みは「北米のパリ」と評されるだけあり、ヨーロッパ風の重厚な建物や大規模なショッピングモールなどが多くあります。規模的にもトロントに次ぐ第2の都市であり、公用語はフランス語、街中のサインも基本は全てフランス語です。
小さいけれど落ち着いた雰囲気のカフェも多く、ブランチのオプションに欠くことはありませんでした。
街の近くにあるモン・ロワイヤルと呼ばれる丘からは街全体を見渡すことができ、自然も綺麗なためハイキングがてらまず最初に訪れてみるのがオススメです。
丘の頂上からの集合写真と眺望。
そして、建築に携わる(or 好きな)人にとってはこの2つの建築は必見でしょう。
まずはバックミンスター・フラーBuckminster Fullerのバイオ・スフィアThe Biosphere。
三角形の立体トラスから成る球状の構造体となっており、1967年モントリオール万博のアメリカ館として建設されたものです。現在では球の中にある建物が環境博物館として利用されていますが、当時は球面にアクリル板がはめ込まれた全体が温室のような内部空間でした。(その後のリノベーション工事中に火事でアクリルは全て焼失。現在は鉄のフレームのみ残っています。)
標準化されたフレーム材と工法を用い、世界中の各地で建設される空間のスタンダートを作り出そうとしたフラー。大規模な形で唯一実現したバイオ・スフィアですが、世界中に流通するにはあまりに洗練されていて、美しく、かつ高いエンジニアリング力を必要とする構造体だと感じました。
そして、モシェ・サフディMoshe Safdie(シンガポールにあるマリーナ・ベイ・サンズの建築家)によるアビタ67 Habitat67。
竣工年度はその建物名の通り1967年。バイオ・スフィアと同年度であるのは決して偶然ではなくこちらもモントリオール万博のために建てられたもので、一般の来訪者を受け入れただけでなく、会期中一部宿舎としても使われていました。テーマは建築の工業化と標準化を通して(≒単純な箱の積み重ねで)、安価でかつ多様性の高い住戸を実現するというもの。見た目こそ球体とブロックの積み上げた形で全く異なりますが、その裏にある精神はバイオ・スフィアと同一というのが興味深いところです。
実際に見ると、非常に高い精度でこの立体的な構造体が実現されており、もはや標準化とはかけ離れた魂を込めたデザインとして屹立しています。現在は私有の共同住宅として使われているようですが、こちらも世界の標準とするにはあまりにも理想と想いが先に走った例ではないでしょうか。
そしてHBS生と来れば必ず充実するのが夜のエンターテイメント。
アイスホッケーから、ビリヤード、そして夜のクラブまで。真夜中に食べたプーティンPoutine(フライドポテトにチーズとグレイビーソースをかけたカナダ料理)は日本のシメのラーメンの代わりでしょうか。昼と含めて2店トライしたのですが、2軒目が特に美味しかったです(肝心の店名を忘れる・・・)。口コミからしっかり店を選んでいくと美味しいプーティンを見つけられます。
そして、11月中旬なのに異常な寒さでした。日中の気温は摂氏0〜5度付近なものの風の強さにより体感温度が押し下げられます。訪れる際には防寒対策はお忘れなく・・・!