4/20の週末にArt SocietyというClubが主催するNYC Art Trekに参加してきました。僕はクラブのメンバーではありませんが、友人に誘われ普通に参加することができました。
期末試験が迫っていることもあり、直前まで行くか否か優柔不断に悩んでいたのですが、何とか予定に目処が立ちそうだったため思い切って行くことに。予約が必要で普段なかなか行くことのできないギャラリーや美術館の裏側などを見ることができ、結果として行く決断をしたのは大正解でした。
トレックは土曜日の朝からスタートだったため前日の夜からNYへ入り、友人と食事をしたりバーで飲んだりして過ごしました。Sister City というAce Hotelが最近オープンしたばかりのホテルを予約し泊まってみることに。立地的に回るギャラリーから近かったこと、Bowery Street(マンハッタンの南東Lower East Sideにある通り)の周囲はサマーインターン中に住んでみたい候補であったため近所の視察も兼ねたかったこと、などいくつかの理由が重なりこのホテルに決めました。
部屋の内部は清潔でミニマルな感じ。最上階のルーフトップバーはオープンしたばかりからか、ほとんど人がいなく絶景をゆっくりと楽しむことができました。1年後に来たら人で埋まっているのだろうな・・・
翌日は3つのギャラリー&美術館を回りました。
まずは1つめ。The Brant Foundationでのバスキア展です。
建物は昔の工場をリノベーションしたもので、インダストリーな要素を残しつつ、高い階高を利用して開放的な展示空間を作り出しています。ニューヨーク市ブルックリンで生まれたバスキアは、現代社会問題や歴史的事件を主題とした、抽象性と具象性が織り交ぜられた独特な表現が特徴のアーティスト。27歳という短い人生の中で描いた作品は、現在とてつもない値段がつけられており、ZOZOTOWNの前澤友作が120億円で落札したことで日本でも話題となりました。(なんとその作品がこのギャラリーに展示されていました)
バスキアの作品から発せられる挑発的な印象がうまくギャラリーの展示空間とマッチしていて、抜群の良さの展示会でした。
ちなみに上の2枚目の写真、向かって右手のレバノン人の友人はBCGのコンサルタントかつプロのアーティスト。大きなビルの壁面にアラビア語の文字をモチーフとして人の絵を描いたり。小さなドローイングでも彼の作品は市価100万円ほどだそう。授業中にスタバのカップに書く落書きが異常なほどうまいです。さらに4言語がほぼネイティブ。それでBCGコンサルタントとかため息が出ます。
次に訪れたのはJudd Foundation。
ミニマリズム彫刻の巨匠、ドナルド・ジャッドの自宅をギャラリーへと改装したもので、予約がなければ入れず、写真なども一切撮影することができません。ジャッドがLower ManhattanのSOHO近くのビルを破格の値段で購入(当時、都市計画の一環でこの一帯の建物が取り壊される可能性が高かったため値段が大幅に下落していた)、4階全てを改修し自身の住居兼アトリエとしたものです。
交差点に面して開けられた二面の大きな窓からは自然光がふんだんに取り入れられ、その内部に机や家具、金属やブラスチックでできた抽象的な彫刻が置かれています。抽象性を極限まで高めた作品が周囲の空間をどのように歪め、形作るかを自身の家で実験していたそう。ほぼ当時の状態をそのままに残してあるからか、独特の緊張感にあふれた空間となっていました。
最後に訪れたのは定番ホイットニー美術館、の最上階にあるカンファレンスルームで、美術館の戦略チームで働いているHBSの卒業生2名とディスカッションを行いました。マルセル・ブロイヤーの建築からレンゾ・ピアノによる建築へ、場所もセントラル・パークの東からハイラインの終点地に移動し、規模も一気に拡大。大きな転換期を経験した美術館の経営的課題を聞くことができ、興味深いディスカッションとなりました。
その後には、学芸員の方自らがガイドとなって代表的な作品を紹介してくれ、これによりさらに満足度が上がりました。ビジネスの英語を聞いているより、美術の説明の英語の方がずっと楽で聞き取りやすい。MBA1年の勉強は、なかなか自分のバックグラウンドをひっくり返すには至っていないようです。