ULI (Urban Land Institute) という団体が年2回行なっているConferenceに参加してきました。
ULIとはワシントンD.C.に本部がある世界的な不動産団体で、その説明を見ると、
ULIは責任ある土地活用と繫栄する社会の創造と維持においてリーダーシップを発揮することを使命としています。
The mission of the Urban Land Institute is to provide leadership in the responsible use of land and in creating and sustaining thriving communities worldwide.
とあります。
ディベロッパー、投資ファンド、コンサルや弁護士など不動産を取り巻く様々な職種の人が集まっています。
また年配の方が中心かと思いきや、YLG (Young Leaders Group) という35歳以下の若手のためのグループもあり、同年代も含めたネットワークを作れるのが魅力です。
この団体で日本支部の前会長である富川社長(三井不動産投資顧問)がHBSの卒業生であったり、色々と縁がありメンバーとなることに。
カンファレンスだけでなく、レクチャーやその後の懇親会のイベントも比較的頻繁にあり、設計周りの人で誰か興味ある人探してます。
設計の世界にも日本建築学会など団体はあるのですが、ひそかにULIのメンバーと建築学会がつながればよりビジネス(=具体的なプロジェクト)に直結した議論ができるのでは、と思っています。
これからは(今に始まったことじゃないかも)、建築家もそういう動きしないとダメですね。
今回のカンファレンスで個人的にツボだった話題はこれです。
「物珍しさだけでは続かない:魅力的なナイトタイムエコノミーの推進」
“More than Just a Curiosity: Building an Attractive Nighttime Economy”
(A.T.カーニー 梅澤高明氏/衆議院議員 あきもと司氏/プラス・アルファ・ジャパン Nemo Glassman/トリップアドバイザー 牧野友衛氏)
東京の夜のエンターテイメントについて。
あまりこういうお固い場では話される話題でないと思っていましたが、衆議院議員までパネリストとして登壇されていて、予想以上の盛り上がりでした。
確かに、NYなどの都市は「眠らない」という言葉がそのまま当てはまります。先日、NYのクラブに会社のメンバーと乗り込んだところ、12時過ぎからスーツを着た会社員の波が押し寄せてきたのには圧倒されました。東京だと終電あったりしますからね。実はNYは地下鉄はずっと動いているのです。
NYのブロードウェイの経済効果は1.4兆円と言われていますが、チケット代はそのうちの2000億円。コアのエンターテイメントがあるだけでこれだけの波及効果がある。ディスカッションの中で、「二毛作、三毛作の経済」と表現されていたのが印象的でした。
また、最近、HBSの同級生がよく東京に訪問してくれるのですが、皆例外なく新宿にあるロボットレストランに行きたいと言います。そんなに有名だったのね・・・東京のエンターテイメントを海外の視点から見てみようと思ったきっかけです。
その他のセッションのタイトルとスピーカー、パネリストはこんな感じでした。
「一世紀にわたるスポーツとエンタテイメントを経てこれから進むべき進路は?」
“After A Century of Sport and Entertainment, Where Do We Go from Here?”
(ポピュラス John Shreve ←ハーバードデザインスクールの卒業生でした)
「コンテンツ・イノベーター:IoT時代に求められる街づくり」
“Content Innovators: The Key to Successful Placemaking in the Age of IoT”
(パシフィカ・キャピタル Seth R. Sulkin/ぴあ 小林覚氏/ライゾマティクス 齋藤精一氏/タイソンズアンドカンパニー 寺田心平氏/NAKED INC. 村松亮太郎氏)
「エンタテイメントを背景とする不動産活用とアリーナを基軸とする不動産開発」
“Location Based Entertainment and Arena Centric Real Estate Development”
(アンシューツ・エンタテイメント・グループ 北谷賢司氏)