2nd Semester 授業紹介

2nd Semester 授業紹介

2学期に取っていたクラスをまとめて紹介したいと思います。今学期までは全て必修のクラスです。全体的に最初の学期よりトピックが難しく、クラスのディスカッションも学期の最初は相当苦労した科目もありました。

BGIE: Business Government and the International Economy

今学期、最も学びが多かったクラスでした。ちなみにコース名はBGIE(ビギー)と読みます。
フランス人のイケメン教授で、フランス語訛りの英語でテキパキと議論をファシリテートしつつ、ポロっと見せるスマイルで生徒を虜にするというスタイル。
授業の内容は、世界20カ国ほどを対象に、マクロ経済、政治、文化、歴史などの多角的な視点から、各国が直面している問題(例えば世界恐慌など歴史上の出来事の場合もあり)がなぜ起こっているのか、それに対し一国の代表の立場としてどのような解決策をいかに実施すべきかを議論するというもの。
マクロ経済的な要素(GDP、金利、インフレ、為替、外交、失業率など)を基礎として、その上に植民地政策などの歴史的要素、政治思想、宗教、ポピュリズム、戦争、内紛、軍政治、難民問題などの多様なレイヤーを重ねて分析をします。

日本にいると身をもって深く学ぶ機会が少ないトピックが多く、その分、例えば中東(サウジアラビア、イラン、イラクなど)に関する授業の時にレバノンやサウジ出身のセクションメイトからの発言から今まで考えたことがなかった視点を学ぶことができました。
この授業をきっかけに英国紙のThe Economistを読み始め、昔はトピックに馴染みがなくかなり読みにくいと感じていた内容が今は興味をもって深く読めることができるように。こういう分かりやすい成長があると学びは楽しいですよね。

Finance II

企業の資本構造が経営にどのような影響を与えるか(+あるビジネスに対してどのような資本構造が企業価値を最適化するか)を考えることが主なトピック。バランスシートの右側の構造が経営に与える影響を議論し、LBOやM&Aのファイナンスにも触れます。
先学期のFinance Iに比べてより新しい題材が多かったものの、それぞれの授業で教科書の読み物がセットになっているため、あまり着いていくことには苦労せず。教授は投資銀行+ヘッジファンド出身のバリバリ実務出身の女性でしが、細かいテクニックからビジネスとの繋がりの俯瞰的視点までバランスよくカバーしてもらえたためその点もプラスでした。
予習でExcelモデルを作る過程からFinance初心者の僕にとってはBGIEと並んで学びの多いクラスでした。ただ期末試験は多様なトピックを限られた時間で網羅しきらなくてはならず、FIN Iより難しかったです・・・

LCA: Leadership Corporate Accountability

日本語に訳すと「企業経営倫理」でしょうか。ビジネスの様々な場面でリーダーやマネージャーが直面するジレンマを対象に、投資家、顧客、従業員、社会のステイクホルダーに対する責任をいかに果たすべきかを議論しました。
法律、経済、倫理の3つの視点からグレーゾーンの問題を考えていきます。学期の序盤からいきなり米国の法律に関する深い議論になり最初は戸惑いましたが、徐々に題材となるジレンマをシンプルな言葉と構造に置き換えるコツが分かるようになり発言も積極的にできるように。
ただ、議論はBGIEやFinanceに比べてややフリースタイル気味で英語での発言力の差による影響が大きく、最後までややくすぶった気分で終わった感はあります。

これまでのプロジェクトや会社の経営に関わった経験から共感できる内容も非常に多く、今後、問題に直面した時に冷静に立ち止まり考える姿勢を身につけられたはず。フレームワークとしては多少漠然としたところがありながらも、実用的な学びであったと思います。

Strategy

タイトルそのままで企業戦略について学ぶ授業。製品やサービスが顧客に対して提供する価値をいかに最大化することができるか。また、それらをいかに低コストで実現することが可能か。業界の把握から始まり(HBS定番、ポーターの5 Forcesから)、企業単体の強み弱みの理解だけでなく、競争相手の反応の予測など、1学期目に習った MarketingとTOMを合体させかつ膨らませたような内容です。Boeing vs. Airbusなどの代表的なケースを通してゲーム理論にも若干触れます。
HBSといえば企業戦略というイメージがありますが、学期中はフレームワーク全体のつながりが見渡しにくく、曖昧な感触を受けていました。期末試験直前にModule全てを通して復習したところようやくピンとくることができました。

TEM: The Entrepreneurial Manager

ケースではスタートアップ企業を中心に扱い、マーケットのニーズに合った新しいビジネスのアイデアをいかに作り込むか、Co-Founderおよび雇うべきStaffの見極め方、ファイナンスの手法、オペレーションの確立の仕方および規模拡大のタイミング・手法などがトピックです。
Entrepreneurialとクラス名にありますが、一般にGeneral Managementとして応用できる内容も多く、上記の内容に沿ってModuleの体系が緻密に作られており、楽しみながら中身の詰まった学びがあったと思います。