FGI (Field Global Immersion) Bogota – 南米コロンビアで学んだこと

1年目の最後はFGIと呼ばれる授業で締めくくりです。正式名称はField Global Immersionと呼ばれるプログラムで、世界各国(主に途上国)の企業に対して6人のチームでコンサルティングを行います。
国は、南米だとコロンビア、アルゼンチン、チリ、アフリカでガーナ、タンザニア、南アフリカ、アジアだとインド、中国、韓国といったように世界全体に広がっており、またクライアントとなる企業もスタートアップから銀行や航空会社などの大企業まで幅広い業種・規模が対象となっています。

共通のテーマは、Design Thinkingを通して企業に対し新たなプロダクトを提案する、というもの。ボストンにいる間にクラアントとの連絡や現地でのスケジュールの検討、ボストンに住む人を対象としたインタビューなどは行いますが本格的に提案を作り込んでいくのは現地に乗り込んでからです。

僕は希望が通りコロンビアの首都ボゴタに行くこととなりました。初めての南米。
期末試験でようやく終わったその翌日には飛行機に乗り込み現地へ。
期間は5/12〜20までです。

教育を知ることは国を知ること

今回僕たちのチームに課せられたミッションは、B2B向け職業訓練を提供している教育系スタートアップ(企業名EduEmplea)に対しB2C向けプロダクトを提案するというもの。言葉にするとシンプルですが、その背後には教師の質や中低所得層の購買力の問題、現行の学校や職業訓練制度、今後の国の方針など考慮しなくてはいけないパラメーターが多く存在します。

生徒だけでなく、教師や企業など20人以上の関係者に対しインタビューを繰り返し、立てた仮説をテストしプロダクトを改善し、最後にプレゼンに落とし込むと言う作業を実働7日程度でやりきるのは予想以上にハードでした。
「コーヒー店(コロンビアと言えば!)の新しいプロダクト開発」、などのお題と違ってなかなか難易度が高く最初はソリューションに辿り着く道を描くことに苦戦したものの、最終的にはクライアントにも喜んでもらえるプレゼンができたかな、と思います。

最終日のプレゼン後の写真。ちなみに、僕のチームはアジア系アメリカ人の他にインド人、フランス人がチームメイトにいました。それぞれ金融、ヘルスケア、コンサル、食品など全く異なるバックグラウンドの6人でしたが、お互いの個性を認め合いチームプレイを成立させていくダイナミクスからも学ぶことが多かったです。
ちなみに僕はクライアントとの連絡と、最後のプレゼン資料全体を取り仕切る役割を担いました。この辺りは建築で鍛えられたプレゼンスキルが役に立ったかな、と。

BGIEで習った様々なコンセプトを体感する絶好の機会

僕にとってこのボゴタでのステイが特別なものになったのは何よりもこの学期で履修をしていたBGIEと呼ばれる授業によるところが大きいです。(「2nd Semester 授業紹介」の記事で詳しく書いています)
スペインの植民地政策の痕跡、ゲリラとの内紛、軍政治、難民問題、経済的地位に基づいた等級制度、経済成長の中で起こるポピュリズム、政党の分裂化など、コンセプトとしては知っていても現地の人との関わりの中で実際に体感すると、その会得度が全く変わります。この1年間で自分の価値観を最も揺さぶり、世界とより繋がりたいという価値観を芽生えさせてくれたのはこのBGIE/FGIの授業のコンビネーションでした。

また、前大統領と現大統領、両方と直接会う機会が得られたことでさらにこの経験が深くなったと思います。
ゲリラとの内紛を沈静化させた功績でノーベル平和賞を受賞したサントス前大統領とはHBSのキャンパスで、またドゥケ現大統領とは官邸内で直接Q&Aセッションを行う機会がありました。両者の経済や平和に対するスタンスの違いを会話の中で感じ、国民からの大統領に対する意見を聞き、両者のギャップを理解することでコロンビアでの政治のダイナミクスを生々しく感じました。

この写真は首相官邸の前で撮ったもの。
ちなみに、謁見の場では官邸側が準備したカメラマンが僕たちの写真を撮影していましたが、その写真が大統領不支持の人たちのTwitterのアカウントで流れ、一夜にして僕たちの顔が国全体に流布されたのはそれから3日ほど経ってからのことです。

ユニークな都市と建築

FGIの期間中は、移動時間の短縮および安全の確保という目的でガイド(通訳も兼ねる)、ドライバー+専用車が各チームにつきます。僕たちについたガイドの方は、人類学(Anthropology)の修士号を持ち、大学の授業を手伝いながらPart-timeでガイドをしているという方。街を巡りながらガイドの方と交わした会話から最も学びが多かったと言っても過言ではありません。
やはり現地の人と街歩きをするのが、一番吸収が早いですね。

街中には植民地時代にスペイン人が建てた教会がいくつか残っています。これはボゴタの中心、ボリーバル広場に面したプリマダ大聖堂のミサに参加した時の写真。

コロンビアを代表する建築家、ロヘリオ・サルモナによる図書館。土着の材料を用いながらも彼が師として仰いだコルビュジェの影響を感じる自然光を巧妙に取り入れた内部空間を作り出しています。

そして、最後は塩の採掘場内に建てられた大聖堂。栃木県にある大谷石採掘場に広がる大空間を彷彿とさせます。

街の至る所に溢れるアートと文化

ボゴタに来たら必見の美術館。

ボテロ博物館は、フェルナンド・ボテロのお馴染みの太っちょ作品だけでなく、彼がコレクターとして集めた巨匠近代アーティストの作品がズラリ。美術館の建物自体もヨーロッパ風邸宅をリノベーションしたもので魅力的です。

この写真展は大統領邸宅の近くの建物内で行われていた企画展。Jesus Abad Colorado Lopezと呼ばれる写真家で、ゲリラと政府の戦い、そこに巻き込まれた市民の生活を鮮明に捉え強いメッセージを発しています。なんとなんと、下の写真の一番左に写っているのは写真家ご本人。日本からきましたと話しかけたら力強くハグされました。

また最も有名なのは街中に溢れるストリートアート(Graffiti)。専用のツアーがあり、ガイドの人がそれぞれストリートアートの芸術的・技術的・政治的コンテクストを丹念に説明してくれる(しかも英語上手い)満足度120%のものですので、ボゴタに訪れる方にはとにかくお勧めします。

そして、コロンビアといえばサルサ。こちらの人は当然のように皆踊れます。写真はボゴタ市内を見渡すモンセラーテの丘の頂上にあるレストランでサルサレッスンをした時のもの。1時間のレッスンで遠目にはサルサっぽいものを踊れるようにはなりました。

美味しいレストランがとことん美味しい

僕たちのグループで夕飯のレストラン選びのイニシアティブを取ったのはフランス人。当然のことながら食に対するこだわりは半端じゃありません。熱のこもったリサーチで彼が選別してきたレストランは、どれも信じられないほどレベルが高く、毎日食べすぎ飲みすぎ状態が続きました。

溶けたチョコレートを手にかけ、そこにコーヒー豆を砕いたものをまぶし、舐める、という先進的すぎて逆に原始的なメニュー。これはちょっと特殊すぎますが、他のメニューは東京にそのまま持ってきても最高峰のレベルで戦えるほどの質でした。