もう一つ、ボストンに来たらオススメしたい場所ができました。ボストン美術館 Museum of Fine Artsは全米でもトップクラスの美術館ですが、そのすぐ近くにあるイザベラ・スチュワート・ガードナー美術館 Isabella Steward Gardner Museumは、他のどこにも無い唯一無二の展示です。
どう唯一無二かと、言うと・・・
いきなり2枚の写真をお見せします。
分かりましたでしょうか。ここは、ボストンの大富豪の未亡人であったイザベラ夫人が、自分の豪邸を自らのコレクションで美術館にした場所です。
邸宅の中には所狭しと価値の高いアートが飾られていて、展示の説明も下のようなガイドが所々に置かれているだけ。
部屋ごとにジャンルが分かれていて、家を歩きながら異なる時代をタイムスリップしていくような感覚になります。
展示室は気持ちの良い中庭に囲まれていて(上部にガラスのトップライトがあり、内部化されている)、この中庭を見ながら回遊するという、これもまたユニークな構成でした。
なんと右側。さりげなくレンブラントの自画像が飾ってあります。
こちら、一番左奥はルネサンスの巨匠ラファエロの絵画です。イタリアでは何点か観れましたが、これは貴重。
天井を見上げるとヴェロネーゼ。マジか。
同じくルネサンス期ヴェネツィアの画家ですね。
他にもボッティチェリやティッツィアーノなどルネサンス期を代表するイタリア画家の絵画が多数。
イタリア行った時もこんなにまとめて観ることはなかった気が。
あとは、ルーベンスと出会ったり、マネやマティスなど19〜20世紀頃の作品までありました。
名前だけでなくて、どれも質高いです。
タペストリールームは晩餐会の会場のよう。
部屋と部屋の間の狭い廊下には、日本の屏風絵などもありました。
そこまで大きな美術館ではないのですが、ボストン美術館を観た時よりお腹いっぱいになる感じがありました。
イザベラさん、凄い!
ちなみに、コレクションは昔はもっと凄かったらしく、約20年前にフェルメールやレンブラントなどの絵画が盗まれてしまったのだとか・・・観たかった。それでも凄いけど。
ちなみにエントランス棟にあたる別館はイタリアの建築家、レンゾ・ピアノによって増築されています。パリのポンピドゥセンターの設計者と説明するとピンとくる方が多いでしょうか。
こちらも自然光をふんだんに取り入れるようなデザインとなっていました。
こちらは増築棟から展示室がある既存棟へと移動する渡り廊下。
柱は一本もなく、綺麗なステンレスサッシの枠が連続しているだけです。(振れ止めのテンションロッドは付いている)こういう所も全く手を抜かない所、さすがです。
最後は建築の人向けのお話でした。
ボストンお越しの際は、ぜひイザベラさんの世界観、堪能してみてください。