同級生から見た日本

同級生から見た日本

2018-10-02

高校生の頃、1年間バンクーバーに留学していたことがあります。その1年間が僕にとっての唯一の海外生活経験でしたので当時のことは今でも鮮明に思い出します。
15年後の今、ボストンへ留学して強く感じる違いは「日本」という国に対する同級生からの認知の違いです。
「バンクーバー X 高校生」と「ボストン X 大学院生」と地理的にもステータス的にもApple to Appleの比較になっていませんが、ある示唆は得られるように思います。

昔は、日本といえば北米の人たちにとってみると海の向こうにある経済大国。興味はあるけれども、何となく得体の知れない文化を太平洋を渡ってまで見に行こうと考える人はあまり多くなかったように思います。日本食と言えば、カリフォルニアロール!当時、ラーメンもあまり知られていませんでした。
ところが、現在は驚くほどの日本食ブーム。同級生で日本(主に東京・大阪・京都・北海道・広島)に行ったことがある人も多く、そうでない人も日本は “On the top of my list”(一番訪れたい国だ!)と口を揃えて言います。訪れたことがある人は、人の親切さと街の綺麗さと、電車の到着時刻の正確さと、サービスの質の高さに驚いたと語り、ビジネスの話になるとそれらの緻密な文化がトヨタなどの製造業のオペレーションの革新へと繋がっていると評価します。

そんなポジティヴな意見を耳にする一方で、働いてみたいという意見は他の大都市、例えばロンドンに比べて圧倒的に少ないことに気が付きます。言語的な障壁があるのはまず第一ですが、同時に日本の異様なまでに緻密で正確な文化が、逆に凝り固まった閉塞的な文化であるという印象にも繋がっているのでしょう。独自のハイスタンダードを築いたことが仇となりガラパゴス化してしまう。言葉では聞いていましたが、それがまさに起こっていると肌で感じます。

世界都市ランキング(2017年)では第3位となっている日本ですが、グローバルな人材へのアクセスが弱いという欠点がいよいよ露呈されてくるのがこれからの10年間。僕たち建築に関わる人にとっても、都市を作る過程でグローバルな視点を取り入れる≒システムとして閉鎖的でなく、多様な人材を受け止めるプラットフォームを創ることが重要な役割となってくるはずです。

そんな真面目な話もありますが、要は日本のプレゼンスが高まっているおかげで、15年前より友人の輪を広げやすいです。
日本食パーティーをするというと異常な人数が集まり、人数制限をしないと収集がつかなくなるレベル。
到着してから経験したボストンでの日本を写真と共に紹介します。

セクションの人たちを日本食レストランに連れて行きました。50人近くが参加表明をしたため、人数制限を圧倒的にパンク。今度はさらにキャパの大きな場所で企画します。
ちなみに、一番の人気はお好み焼きでした。Japanese Pancakeのとてつもない旨さに歓声が上がったほど。

ディスカッショングループのメンバーでハーバード・スクエアにある牛角へ行ってきました。日本スタイルの焼肉はこちらではJapanese BBQと呼ばれます。

こちらもセクションで行ったしゃぶしゃぶ (Hot Pot) パーティーです。普通に美味しかった。こちらのしゃぶしゃぶは一人一人に小さな鍋があるスタイル。

こちらはボストンのダウンタウンにあるレストラン。なかなかのクオリティでした。メニューにあった “Pizza Sushi” はなんとも形容し難い味です。

試しに作ってみよう、ということで日本人同級生で集まって手巻き寿司パーティーをやってみました。この家の家主が買ってきてくれた刺身のクオリティに日本を感じました。

ちなみにこちらが今年のチームジャパンです!日本で働いたことのある外国人やご家族の方も含め、なかなかの大所帯ですね。
みんなで助け合いながらなんとか生き延びていこうと思います。