冬休みPart 1:スイス建築巡り

冬休みPart 1:スイス建築巡り

2019-01-14

冬休みの前半はスイスを訪れてきました。街を移動しながらの建築巡り。
クリスマスではチューリッヒに住むHBS同級生の家に2日間お邪魔させてもらい、なんと家族と一緒にクリスマスディナーまでいただいてしまいました。世界中の至る所に友人ができるのはMBAの絶対的なメリットだと思います。

約10日間をかけてスイスの主要都市から小さな街まで回りましたが、チューリッヒ、バーゼル、ベルン、ジュネーヴなどの主要都市を比べてもかなり雰囲気が違います。小さい国ながらも、多様な文化(東はドイツ、西はフランスの文化が色濃い)や街の雰囲気を楽しめるのがスイスの魅力でしょうか。あとは、電車の時間が日本並みに正確です。分刻みでキッカリと到着するため、他国の旅行に比べてストレスレスで回れます。

今回は写真を中心にスイスの街並み+建築(現代建築を中心に)を紹介していきます。

まずはチューリッヒから。


街からチューリッヒ湖の北端を眺めた写真です。


FREITAG Flagship Store
見た目の通りコンテナを積み重ねて作られています。内部には階段があり、全体がFreitagの店舗となっています。


Saint Benedict Chapel / Peter Zumthor
チューリッヒから電車で最寄りの駅まで2時間30分弱かかります。ここから歩くとさらに1時間ほどかかりますが(高低差もかなりあり)、たまたま出会った地元の人にタクシーを呼んでもらいました。
スイス随一の建築家Peter Zumthorによる、小さいながらディテールの全てに迫力が詰まった建築です。


Therme Vals / Peter Zumthor
山奥に建てられた温浴施設です。内部の詳しくはこちらの公式サイトを見てみてください。圧巻です。手摺や照明など、細部まで妥協が全くありません。


Protective Buildings for Roman Excavations / Peter Zumthor
Thermes Valsとチューリッヒの間の街にあります。


バーゼルへ。市内を走るトラムの路線が緑化されていたのが印象的でした。

家具メーカーVitraのVitra Campusは著名な建築家による作品の宝庫です。バーゼルにあるものだと思い込んでいましたが、実は国境を渡ったドイツ側に美術館は位置しています。創業家が持っていた広大な土地に建てられたとのこと。


VitraHaus / Herzog & de Meuron
外観だけでなく、内部の作り込みも含めて予想以上の完成度に驚きました。現代建築のかなりの高みに到達していると思います。


ここからはVitra Campus内をガイド付きで観て回った写真です。
手前がJean Prouve、奥がRichard Buckminster Fullerの思想に基づいて建てられたパヴィリオン。


左手にNicholas Grimshaw、右手にAlvaro Sizaが設計した工場。
2つを繋ぐ通路の庇が高く持ち上げられているのは、奥に見えるZahaの消防署への視線を邪魔しないため。


Fire Station / Zaha Hadid
先日亡くなったZahaが一気に名声を得ることになった作品です。


Factory Building / SANAA
SANAAによる工場、という珍しい組み合わせ。外観は近づいて見てみてください。


Conference Pavilion / Tadao Ando


Vitra Design Museum Gallery / Frank O. Gehry
裏側のイマイチな写真しかありませんでした。内部の展示空間が良かったのでぜひ中を覗いてみてください。


Fondation Beyeler / Renzo Piano
バーゼル市内にあります。天井の照明の使い方が独特で外から見ると屋根が浮かび上がって見えます。展示のクオリティも高い。


Schaulager / Herzog & de Meuron


Museum Tinguely / Mario Botta
Tinguelyさんのアートが数多く展示されていますが、これがかなり楽しめます。


Exhibition Center Basel / Herzog & de Meuron


バーゼルからロンシャンの教会(Le Corbusier)が近いことが判明したため、寄ってみることに。こちらは途中の駅。


Notre Dame du Haut / Le Corbusier
通称ロンシャンの教会。ようやく観ることができたコルビュジェの傑作です。
一見奇抜な外観と中での礼拝の体験が見事に調和されています。不安定なデザインの中で抜群のバランスが実現された奇跡と形容したくなる建物です。


Paul Klee Museum / Renzo Piano
ベルン郊外にあります。これもHerzogのVitraHausと並んだ現代建築の最高峰だと感じました。景観に溶け込みつつも、純粋でアイコニックな形態を随一のエンジニアリング力で実現させています。


ベルンの街並み。


EPFL Rolex Learning Center / SANAA
地面が盛り上がりそのまま連続して図書館に・・・本当になっています!しかし、所々傾斜がキツすぎてスロープが多々設けられ、とんでもない面積ロスに。そんな夢のない現実を吹き飛ばすほど、そこには今までにない体験が待っています。


ME Building / Dominique Perrault
こちらもEPFLのキャンパス内にあります。


ArtLab / Kuma Kengo
同上


最後にジュネーヴの街並みの向こうに見えるレマン湖です。コルビュジェの母の家はこの時期、開いていませんでした・・・残念。


ちなみに、チョコで有名なスイス。大都市の通り沿いには多くのショップがあります。(特にジュネーヴに多かった)
また、一般に物価が高いと言われますが、確かに、外食すると食事は相当高いです。ちょっとしたランチでも一人3000円はかかったり。ただし、ワインの価格だけは日本やボストンと比べても安いです。スイス固有のブドウであるシャスラから作られた白ワインや赤でもピノ・ノワールなど現地で作られたワインはかなりリーズナブルかつ美味しいため、ぜひスイス産のワインを飲んでみることをお勧めします。