EC Year(2年目)の始まりー授業選択とアントレ系プログラム

EC Year(2年目)の始まりー授業選択とアントレ系プログラム

2019-09-30

9月の初めからいよいよ最後の1年が始まりました。
RC Year(1年目)の時は毎日自分のSectionの教室に通い、同じメンバーで同じ授業を受けていたスタイルでした。
EC Year(2年目)は全て選択授業。まずは夏休み中に授業選択の申し込みがあります。授業の人気度と照らし合わせつつ、戦略的にランキングを決めなくてはならず、この作業に何日も費やすことに。人気の授業は皆高いランキングで申し込むので、全て人気の高い授業を取ることは不可能となっています。
ロタリーの結果とShopping Period(学期の最初に自由に他のクラスを見学でき、クラスの変更申請を出すことできる)をかけてかなり悩みましたが、結果として自分なりに満足度の高い授業を取ることができたので投資した時間は無駄ではなかった、はず。

まず、今学期取っている授業は以下の通りです。取った理由と共に紹介します。

1) Managing Human Capital
題名の通り、人事政策に関する授業です。人事だけ取り上げて習う機会はあまりなく、また、僕が携わってきた建築設計業界は人が会社のアセットの大半をしめる世界。
Ethan Berstein教授は1年半前にIFCというプログラムを日本で率いていた教授(こちらの記事にその時の体験をまとめています)。熱血教授で、生徒の意見にも熱心に耳を傾けてくれます。
トピック、教授の質、両方ともヨシと判断。

2) Corporate Financial Operations (CFO)
1年目に習ったFinance IとIIをさらに掘り下げていく授業。全てのクラスの中でもかなり人気の授業です。僕にとってFinanceはまだまだ馴染みの薄い分野。一年目の習得度だけでは不十分と判断し、優先度高く取ることに。CFOとして必要なスキルの取得だけでなく、General Managementの立場からファイナンス政策をどのようにコントロールするか、コミュニケートしていくか、がトピックです。

3) Demystifying Family Business
世界で生み出されているGDPの大半は実はFamily Business(定義は曖昧ですが、ここではある特定のFamilyがOwnershipもしくはControlを通して強い影響力を持っているケースを指します)によるものです。パブリックの会社と比べてFamily Businessには継承問題や家族間のマネジメントなどユニークな問題が付き纏います。(最近では大塚家具の例が、これらの問題が悪い方向に表面化したケース)
教授はなかなかエキセントリックでアグレッシブな授業運び。これが吉と出るか凶と出るか。
自分のバックグラウンドが強く関係している、かつ、会社のOwnershipやGovernanceを客観的に考えるフレームワークを知りたいと思い取ることに。

4) Real Property
HBSでは数少ない不動産のクラス。一番人気のCharles Wu教授の授業を取ることができました。個人レベルの不動産投資から大型の再開発授業まで、定性的、定量的両方の側面をバランスよくトピックとして扱っています。今後の自分のキャリアを考えても、迷わず取ることを決定。

5) Field X
このクラスだけケース・ベースではなく、自分のスタートアップ・アイデアをディベロップしていき、学期の最後にピッチをするというプログラム。毎週1度集まる時にはゲストスピーカーが呼ばれ、特に業界が関係している場合などは自分たちのチームのメンター的存在になってくれたりします。
授業をこなしながらスタートアップにも時間を割くのは相当困難です。フレキシビリティがあり、かつ授業自体のワークロードは非常に少ないことがメリット。

Field Xに加え、アントレ系のキャリアを考えている人に、オススメのプログラムがあります。Harvard Innovation Lab(通称 iLab)が運営するVenture Incubation ProgramとRock Center(HBSのアントレ部門)が運営するRock Acceleratorです。上記で書いたField Xとコンビネーションで取ることでより効果が上がると感じ参加することに。夏休みの後半にアプリケーションとピッチのプレゼンテーションを準備し応募したところ、無事通過することができました。
まだ始まったばかりで具体的なメリットを享受できるのはこれからですが、1) 進捗をフォローしてくれるメンターのアサインメント、2) 業界に精通したプロフェッショナルの紹介、3) 法律事務所によるフリーコンサルテーション、4) 数千ドルまでのファンディング、5) 投資家へのピッチの機会、6) Innovation施設内のスペースの提供、などなどに魅力を感じています。

チームメイトと共に自分のビジネスを具体化していく作業は教室の中で授業を受ける行為とは全く違う頭を使うことになります。両方のアプローチからレベルアップしていきたい!