2年目春学期の選択授業

長い冬休みが終わり(南米に1ヶ月ほど滞在していました。改めて記事を書く予定)2年目 (EC Year) の春学期が始まり1ヶ月以上が経ちました。
ちなみに、アイコンの写真は部屋の窓から見た朝日。今年はほとんど雪降っていないです。
いよいよ最後の学期に突入し、恐ろしいほどの速さで時間が過ぎ去っていきます。今学期も比較的満足いく選択科目を取ることができました。

1) BSSE: Building and Sustaining a Successful Enterprise
通称BSSEと呼ばれているHBSの名物授業です。先日亡くなったChlayton Christensen教授が創設したクラスで、彼の名著である The Innovator’s Dilemma で紹介されるフレームワークから派生して、イノベーションに関わる様々な理論を学んでいきます。毎回の授業が理論とケースのセットとなっていて、現実世界でビジネス理論がどのように適用されるのか議論をすることで学びの定着を図る、という構成になっています。
僕のお気に入りは授業の一番最初に配られた Module Note “Why Aspiring Executives Should Care About Management Theory”。経営者が経営理論を活用する上で、その理論は Correlation(相互関係)とCausation(因果関係)いずれに基づいたものなのかを見極める必要がある、と説いています。多くの理論がインターネットなどの媒介を通して溢れている中、「AだからBである」と結論づけている論をよく見かけますが、多くの場合「AだとBである可能性がある」ことを挙げているいるにすぎず、「AだからB」という因果関係を証明できている経営理論は数少ない。そのため、経営者は状況に応じて自分が適用する理論を慎重に選ぶ必要があり、その選択能力自体が実力の一部である。理論を教えるクラスでありながら、理論に向かう姿勢に注意を喚起している目から鱗の内容です。

2) Becoming a General Manager
HBSはGeneral ManagementのためのMBAであると言われています。日本語に適切に訳すことが難しいGeneral Management(GM)という概念。僕もHBSに来る前は漠然としたリーダーシップ論を想像していました。しかし、最近になってGMとは体系化することができる有形のスキルであると感じるようになっています。
「専門的領域を掛け合わせ、価値ある出来事を具現化するスキル」といったところでしょうか。そのため、GMの究極のロールは会社のCEOや一国のリーダーなどに例えられることがよくあります。
経営だけでなく、軍隊、レスキュー隊、登山、政治などのケースからGMがミッションを適切な方向に進める上で必要なフレームを学んでいきます。Edmondson教授はTEDトーク(リンクはこちら)でも話をしているキレキレの女性教授。経歴を並べて彼女の凄さを語る前に、動画を観ると分かる通り、まずはカッコいいです。

3) Real Estate Private Equity
通称REPE。不動産系のアセットを中心に扱うPEファンドの授業です。前学期に履修したReal Propertyは個別の不動産開発もしくは取引にフォーカスした内容でしたが、REPEはファンド目線で不動産ポートフォリオを運営していく戦略を習います。取得するアセットの質や種類の評価、EquityおよびDebtファイナンスの戦略、リスクマネジメント、マーケットサイクルの考え方などが総合的に議論の中で扱われます。今までPEファンドにフォーカスした授業は取ったことがなかったので、最初は議論についていくのに苦労しましたが、ようやくレバーが分かってきた感覚があります。
さらりと出る宿題でいきなりかなり高度なモデリングを求められたり(しかもほぼ基礎的な説明なし・・・)、予想外に時間を取られていますが、その分学びも大きい・・・はず。

4) Negotiation
こちらもHBSの名物授業です。僕のセクションはKevin Mohanという超人気の教授と他の教授数名がジョイントで教えています。
BATNA (Best Alternative To Negotiated Agreement)やZOPA (Zone of Possible Agreement)、Reservation Priceなど基本的なフレームワークを学びながら、授業の中で仮想Negotiationを行い、まとめを次の授業で行う。これの反復練習がこのクラスの骨格です。
交渉のフレームワークを基礎から学び感じるのは、交渉はビジネスだけでなく普段の生活の中でも繰り返し出てくる行為であるということ。自分のパーソナリティーと非常に密接に結ぶついているため、自らを知ることが重要であるということ。また、一発の交渉で良い条件を引き出せれば良い訳ではなく、その相手との長期的な信頼関係も意識する必要があるということ。今まで数回練習を行いましたが、「あ、この人とは一緒にビシネスをやっていきたいな」と思う相手もいれば、「ビジネスパートナーとしては無理」と思わせる発言もあったり。ビジネスにおける人間関係のダイナミクスを考えさせられる授業です。

5) Independent Project
通称IPと呼ばれるコース。個人もしくはグループで興味のあるトピックを選び、指導教授を見つけてプロジェクト化します。(教授がプロジェクトを既に持っていて生徒を集めるパターンもあり)最終成果物は様々で、授業に使われるケース、スポンサー企業に対するコンサルレポート、自分のスタートアップに関するリサーチ資料など目的に応じてフレキシブルに決めることができます。
僕は前学期に取ったFamily Businessの教授にスポンサーになってもらい、自分のFamily Businessを課題にしてプロジェクトを行うことにしました。自分の興味があることや関わっているビジネスについて直接的に時間を使うことができる上、日々のケースを読む時間が1授業分減るため、時間の使い方に柔軟性が増すのもメリットです。